延滞税の計算方法(税務調査通知前に期限後申告した場合)

(確定申告相談会で行った能勢町役場)

国税庁のページに延滞税の案内があり、そこに申告書提出日と納付日を記載すれば延滞税がいくらかかるか自動計算してくれます。

https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/entaizei/keisan/entai.htm

令和6年分の確定申告の所得税は本来令和7年3月17日までに納付しなければなりません。

それを申告し忘れた時に今年申告して納付したら、相応のペナルティがあります。でも放ったらかしにして、調査を受けてから払うより自主申告、納付した方が遥かにマシです。最後に触れた無申告加算税が最低でも倍、額が多ければ倍以上になります。

国税庁のページの自動計算があっているかを調べるために、条文に基づいて計算根拠を示します。

国税通則法第60条 延滞税

納税者は、次に該当するときは、延滞税を納付しなければならない。

(中略)

 二 期限後申告書若しくは修正申告書を提出し、申告納税方式による国税等の納付の規定により納付すべき国税があるとき。

申告の種類は期限内申告、期限後申告、修正申告があります。

令和6年度の確定申告をし忘れ令和8年に申告する場合、本来申告すべき期限(令和7年3月17日)よりも遅れて申告するので「期限後申告」となります。

2 延滞税の額は、前項各号に規定する国税の法定納期限の翌日からその国税を完納する日までの期間の日数に応じ、その未納の税額に年14.6%の割合を乗じて計算した金額とす  る。ただし、納期限までの期間または納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、その未納の税額に年7.3%の割合を乗じて計算した金額とする。

ここで、「法定納期限」と「納期限」という言葉が出てきます。どう違うねん!端からみたら違いがよくわかりませんが、期限後申告の場合は全然違います。

令和6年の確定申告を忘れていたので、申告する日が今日(令和8年6月28日)としましょう。今日休日だということはさておきましょう・・・

「法定納期限」とは「本来納付すべきだった日」です。したがって令和7年3月17日です。

「納期限」とは「その申告によって納付する日」です。期限内申告の場合は法定納期限と納期限が同じ日なんですが、期限後申告と修正申告は違います。

期限後申告の納期限は、その申告書を提出した日と定められています。したがって、令和8年6月28日になります。

これを踏まえて60条2項をみてみましょう。

延滞税の額は、前項各号に規定する国税の法定納期限(令和7年3月17日)の翌日からその国税を完納する日までの期間の日数に応じ、その未納の税額に年14.6%の割合を乗じて計算した金額とする。ただし、納期限(令和8年6月28日)までの期間または納期限(令和8年6月28日)の翌日から2月を経過する日までの期間については、その未納の税額に年7.3%の割合を乗じて計算した金額とする。

ですので、令和7年の3月にすべき申告を忘れていて、今日申告した場合はこの条文のただし書き(ただしの以下の文言のことをいいます)以下の文章が適用されて、14.6%という高い税率ではなく、7.3%という低い税率の方が適用されるわけですね。(期限後申告してから2ヶ月以内という条件付きですが)

7.3%でも十分に高そうに見えます。最近金利も上がってきましたが、まだまだ暴利に見えますよね?消費者金融よりマシでしょうか?

この税率を押し下げる別の法律があるんです。

租税特別措置法第94条 延滞税の割合の特例

国税通則法第60条第2項に規定する延滞税の年14.6%の割合及び年7.3%の割合は、これらの規定にかかわらず、各年の延滞税特例基準割合が年7.3%の割合に満たない場合には、その年中においては、年14.6%の割合にあっては当該延滞税特例基準割合に年7.3%の割合を加算した割合とし、年7.3%の割合にあっては当該延滞税特例基準割合に年1%の割合を加算した割合とする。

ぱっと見の印象・・・なんのこっちゃ!

まず、延滞税特例基準割合というのは、銀行の新規短期貸出金利の平均に年1%を加算して財務大臣が告示する割合で、もともと14.6%と7.3%はそもそも金利が高い時代にできた法律の文言なので、デフレに陥った経済事情を考慮して、率を下げましょうという特例措置です。

令和8年に入ってちょっと上がってます。最近金利上がってきてますよね。

令和7年は平均貸出割合0.4%+1%(告示段階で1%加算)+1%(措置法94条当該延滞税特例基準割合に年1%の割合を加算した割合考慮)=2.4%です。

令和8年は平均貸出割合が0.8%になってるので2.8%です。

延滞税が2.4%と2.8%になる人は上記の条文の「年7.3%の割合にあっては~」の人が該当します。納期限から2ヶ月以内に納付する人ですね。

納期限から2ヶ月超えた人は「当該延滞税特例基準割合に年7.3%の割合を加算した割合」となるので、

0.4%+1%+7.3%=8.7%となります。令和8年は0.8%+1%+7.3%=9.1%になります。

計算方法

令和6年度の確定申告で納付すべき税額が1,007,500円とします。中途半端な数字にしたのは、計算過程の端数処理をわかりやすくするため。延滞税の計算においては、1万円未満切り捨てにするので、1,000,000円が計算の基礎になります。

(例)令和6年度確定申告で納付すべきだった税額・・・1,007,500円

   法定納期限・・・令和7年3月17日

   申告書を提出した日・・・令和8年6月28日(納期限は令和8年6月28日)

   税金を納めた日・・・令和8年9月30日(納期限から2ヶ月超え)

1,000,000円×2.4%×289/365=19,002・・・①令和7年に対応する延滞税率2.4%、289日は令和7年3月18日~令和7年12月31日の日数

1,000,000円×2.8%×240/365=18,410・・・②令和8年に対応する延滞税率2.8%、240日は令和8年1月1日~令和8年8月28日(納期限の翌日から2月を経過する日)までの日数

1,000,000円×9.1%×33/365=8,227・・・③令和8年に対応する延滞税率(2ヶ月オーバー)9.1%、33日は令和8年8月29日~令和8年9月30日の日数

①19,002円+②18,410円+③8,227円=45,639円→45,600円(100円未満切り捨て)

1,007,500円+45,600円=1,053,100円 本来納付すべき税金と延滞税を足して払う税金

無申告加算税も考慮すると、税務調査の通知前(正確には税務調査を"予知"前)に期限後申告したら5%加算なんで

1,000,000円×5%=50,000円も加算されて、1,103,100円と。本来の納税よりも10万円近く増えることになりますね。

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